story

Chapter7
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「それより、もっと話を聞かせてよ。」

「うん。」

にこりと笑って、とても嬉しそうに話し始めた。MTも楽しそうだった。
こんなにあったかいのは久しぶりだ。

―――――――――――――――――――――――――――

「あ、飲み物冷めちゃったね。」

「話しすぎちゃったね。」

「いいんだよ、おもしろかったし。入れ直すね。」

そう言って立ち上がる。長い時間話してしまったようだ。疲れたMTは大口開けて眠っている。
カチリ、ガスのひねりを回す。

彼女の話によれば、僕のおじいちゃんとルピのおばあさんが夫婦の仲であったらしい。
彼女も亡くなってしまったけれど。だから、おじいちゃんにも詳しかったのか。

けたたましい音をたてて、ポットが鳴く。それをコンロから下ろす。
カップに注げば、また温かい湯気が上る。彼女に渡せば、ありがとう、といって受け取る。

「そういえば、ルピは魚について何か知ってるの?」

「え?」

「ほら、おじいちゃんと親しかったみたいだし。」

「あ・・・」

あのね、と彼女の口が動くが、それからまた口を閉ざしてしまう。
僕は静かに次の言葉を待つ。何かを知っていることは解った。

「私、おばあさんに言われたの。」

「?」

「モサに会いに行くように、って。」

「僕に?」

「・・・ペリポリパを助けて、って言い残したの。」

魚を、助ける?
意味が解らなかった。
助けるも何も、あれはおじいちゃんが作った、ただのカラクリ。人工物だ。
キカイに心を持たせることが出来るほど、今の技術は進んでいない。そんな思考もない。
キカイはキカイのまま進歩している。人間に近づけようなんて誰も思わない。
心、なんて。
ふと彼女と目が合うと、その考えを否定されているような気持ちになった。
そんな、まさか、

「あれには、心があるの。」

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