1/1ページ目 「それより、もっと話を聞かせてよ。」 「うん。」 にこりと笑って、とても嬉しそうに話し始めた。MTも楽しそうだった。 こんなにあったかいのは久しぶりだ。 ――――――――――――――――――――――――――― 「あ、飲み物冷めちゃったね。」 「話しすぎちゃったね。」 「いいんだよ、おもしろかったし。入れ直すね。」 そう言って立ち上がる。長い時間話してしまったようだ。疲れたMTは大口開けて眠っている。 カチリ、ガスのひねりを回す。 彼女の話によれば、僕のおじいちゃんとルピのおばあさんが夫婦の仲であったらしい。 彼女も亡くなってしまったけれど。だから、おじいちゃんにも詳しかったのか。 けたたましい音をたてて、ポットが鳴く。それをコンロから下ろす。 カップに注げば、また温かい湯気が上る。彼女に渡せば、ありがとう、といって受け取る。 「そういえば、ルピは魚について何か知ってるの?」 「え?」 「ほら、おじいちゃんと親しかったみたいだし。」 「あ・・・」 あのね、と彼女の口が動くが、それからまた口を閉ざしてしまう。 僕は静かに次の言葉を待つ。何かを知っていることは解った。 「私、おばあさんに言われたの。」 「?」 「モサに会いに行くように、って。」 「僕に?」 「・・・ペリポリパを助けて、って言い残したの。」 魚を、助ける? 意味が解らなかった。 助けるも何も、あれはおじいちゃんが作った、ただのカラクリ。人工物だ。 キカイに心を持たせることが出来るほど、今の技術は進んでいない。そんな思考もない。 キカイはキカイのまま進歩している。人間に近づけようなんて誰も思わない。 心、なんて。 ふと彼女と目が合うと、その考えを否定されているような気持ちになった。 そんな、まさか、 「あれには、心があるの。」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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