プロローグ 黒い空に浮かぶ「魚」 星は見えない。 煌々と明かりが灯り、そこの賑わいが伺える。 低くうなりながらこの大きな地に影を落とす。 対照的。 灰の絵の具を零したような。黒には染まらない「街」 そこには月明かりさえも吸収するような、ただただ無機質な建物だけが、何も語ることなく並んでいる。 突如。一際大きく「魚」がうなる。彼(もしくは彼女)は何かに苦しんでいるように、それほど大きく彼は軋んだ。 そのまま、街を完全な黒に染める。ゆっくり塗りつぶすように、どこかへ向かう。 その影の中、中心に立つ人影。それは影の中に影を作り、言いようのない不安の黒を生み出す。 しばらく、そんな人影に気付くはずもなく、彼は過ぎ去った。街は元の静けさを取り戻す。ただ建物だけが口を謹んでいる。 ふ、と「魚」の消えていった方向に目を向ける人影、否、少年がひとり。 「 」 ぼそり、何かをつぶやくが、それは白い煙に巻かれ、やがて消えた。 誰に聞かれることもなかった。 それは少年と街だけが知っていれば良いのだ。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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