2012年10月11日(木)
【天文学者の唄】



見えない星を探したの。
その先に浮かぶ君の唄。


張り付いた影に
映した誰かの声を
ほんのちょっと引き離して
君を描くの。
爪弾きにされても
届く音があって
それをちょっと君の為に
使いたいの。


遠ざかる空の深さに
「こぼれ落ちてしまうよ」って
怯えてたのは知らなかったから。
それでも君は照らし続けてくれてたよね。


世界は今日も広がって
中身のない思考がその外側を形作る。
君の内側にあるのは
その思考さえ追い付けない
僕には描けないもの。


夜を知らない人が
星たちの存在を疑ってしまうように
君を知らない僕は
僕さえも疑っていた。


目の前の君を探したの
全てが消える前に。

世界は今日も色付いて
幾つもの思いの摩擦で形を変える。
ようやく見つけた理由を
見失いたくないから、ねぇ
何度でも「君」を教えて。
僕の中から居なくならないで。







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