BL小説
きみのココロ(BL小説)R18
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彼の突飛な行動で周りの皆の視線を一気に集めた。
やがて彼は皆にブーイングされた。

「何するんだよっ!俺はお前なんか知らないんだけど...」

俺はそっけなく彼を突き放した。行き成り馴れ馴れしくされるのを俺は受け入れられない。日本人特有のあれだから仕方ない事だ。
それに...
なにより男らしい彼の姿が羨ましくて仕方なかった。
体もガッチリ締まっていて女だったら惚れていただろう。

「!!!会いたかったのにそんな冷たい態度...酷いじゃないか!」

急に彼は怒り出した。

「覚えてないものは仕方ないだろっ!」
そう行って紅夜は去ろうとすると奴は急に紅夜をお姫様抱っこでその場から連れ去った。

「!!!!!!!?????お前!!!!!」

力が強くて抵抗できない。

体育館倉庫に着くとやっと俺は解放された。

「痛いじゃないかっ!まったく」

俺は怒っていた。
当たり前だ。姫様抱っこってっ!!?プライドがズタズタだ。

「ごめん。でも、俺の話聞いてくれないから...」

彼は悲しそうに俯きかげんでそう言った。

「...しょうがないな...で何?どういう事なの?」

と、仕方なく俺は彼の話を聞く事にした。
男の涙にも弱いらしい俺は...

「本当に覚えていないんだね...」
そういうと、紅夜の両手を自分の頬に置く。

「よく見て、俺の瞳を」

わけがわからず俺は奴の瞳をジーッと見た。
綺麗な金糸のかかった緑色の瞳...

「外人とか?ハーフ?」

その答えに彼はがっかりした様子だった。

「せっかく人間を選んだのに...もういいよ」

意味不明な事を言うと彼はその場を去ろうとしていた。

「待てよっ!名前くらい名乗って行け!」

「桜井 蒼士(さくらい あおし)別にもう覚えなくてもいいよ」

「何だよそれ!勝手過ぎもいいとこだろ!!?
もう知らないお前なんか...
...
ちょっと俺が昔飼っていた犬に似てる気がしたから話聞いてやったのに...おまえなんか」

そう言い掛けていると急に蒼士がまた紅夜に抱きついた。

「なんだ覚えてるじゃないかっ!そうだよっあの犬だよ。待ってたんだこの時を...」

「はぁ!!?なにわけのわからない事を...
ウソをつくにも程ってモノがあるだろっ?!(▼▼)」

そう言うと紅夜は蒼士の手を振りほどいて倉庫から去っていった。

(...姿を変えただけなのに人間と言う奴はすぐ見た目で判断しやがる...俺は間違った選択をしてしまったのか...?)

蒼士はそう独り言を呟きその場を去った。


夜。本条家、紅夜の部屋。
...あの犬?

そんなわけがある筈がない。劉リュウ(犬の名前)は俺が2歳の時に死んだんだ。
そしてすぐに父さんと母さんも交通事故で逝った。

思い出したくもなかったのに...酷い奴だ。
もうあいつに関わるのはやめよう。

俺は今、本条家に1人で住んでいる。執事やメイドを除けばだけど...
なぜ俺がまだ本条家に居るかというと両親が莫大な遺産を残していてくれたからだ。
一人になっても俺は一生遊んで暮らせる財産を両親からもらったのだそうだ。昔からここに仕えている執事がそういっていた。彼は俺の親代わりをしてくれている。
考えがまとまらないまま、いつの間にか眠っていた。


朝日が眩しい...
スッキリしない朝。
外はカラッと晴れていて気持ちの良い天気だけど俺のココロは曇ったままだった。


続く。
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