BL小説
地球の詩(BL小説)R18
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俺はなぜこの世の中に生まれたのか...
空を見上げ最近はそればかり呟いている。
高校1年の夏だった。
俺には優秀な、嫌、天才な兄がいる。
たった数秒しか違わないのにこの差だ...
双子なんて...
俺の名前は空(そら)。兄は翔(しょう)。
名前からして釣り合いがとれてない。
でも、翔は俺に優しい。だから嫌いにはなれない。
むしろ好きだ。
だからこそ自分の存在が不必要と思えた。
特にやりたい事もなくダラダラ日々を過ごしていた。
兄は当然のように生徒会にひっぱられ多忙をきわめていた。
ゆくゆくは翔は生徒会長になると俺は確信していた。

「空。放課後暇だったらちょっと手伝って欲しいんだけどいいか?」

翔が疲れた表情で俺に話しかけてきた。

特に何もする事が無かったからつい安請け合いしてしまった。

「いいよ、わかった」

そう言うとホッとした表情で翔はやる事の説明をしてすぐまたどこかへ駆けていった。

放課後、翔から言われたとおりに教室で黙々と資料をホチキスで止める。
凄い量だ...
途中、溜め息を入り混じりながらもこなしていく。
外では部活の子の声が響く。

『青春してるなぁ...』

そう思いながらも手は休む事をしない。翔のたってのお願いだからだ。

すると急に女子が入ってきた。

俺は知らない不利をして黙々と作業をこなしていた。

その女子は急に俺の目の前まで来て言った。
「翔君付き合って下さい!!!!」

俺は呆気にとられついに手を止めてしまった。
俺と翔を間違えるなんて...
確かに今俺は生徒会の仕事を手伝ってるし、普段かけない眼鏡をかけている。
だからといって俺と翔を間違えるなんて...
腹の底が煮えくり返っていたが女子を傷付けるのは俺の趣味に反する。

「悪いけど、本人に言ってくれるかな?俺空だし」

そう言って俺は微笑み返した。

その子は恥ずかしそうに顔を赤らめ何度も頭を下げ立ち去った。

俺にとって初めての異性からの告白だったのに...
翔と間違えられるなんて...
気持ちがどんどん萎えていく。

しかし一度した約束は守らないと...再び手が動き出す。

暫らくするとバスケ部の高塔(たかとう)が教室に来た。

「おう、空。お前いつから生徒会にはいったんだ?」
とテーブルの資料をみつめ聞いてきた。

「翔の手伝いに決まってるだろっ!」

そう言いながらも手は動く。

「ご苦労さん!ほら、コレ飲んであと少し頑張れや」
そういって高塔はジュースをくれた。

「あ、ありがとう。高塔も部活頑張れや!」

「おう。じゃな」

「うん」

そういうと高塔は部活に戻っていった。

もらったジュースを飲みながらなんとか全部綴じり終えた。

オレンジ色に染まったグラウンドを見つめながら一息ついた。

廊下を走る音が教室に響いた。
『翔が来たかな』
予想通り翔がすまなそうに駆け寄ってきた。

「ごめん!空!仕事押し付けちゃって!!」

「大丈夫。全部おわったよv」

そう言うと翔が抱きついてきた。

「さすが俺の空だっ!ありがとう!!!たすかったよぉ!空がいなかったらどうなってたか...帰りなんかおごるからね」

そう言うと資料を両手に抱え走っていった。

『騒がしい奴...』

暫らくして戻ってきた翔と一緒に帰った。


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