【ウォータースポット ってなに?】

今回は、ウォータースポットについて、でしたね。
みなさんは、ウォータースポット って一体なんなのかハッキリ理解しておられますか? 漠然と言ってる人をよく見かけますので、この機会に少し書いてみます。この情報が少しでもお役にたてればいいのですが…。(^o^)

まず、接触角って聞いたことがありますか?
接触角とは、落とした液滴と落とされた固体表面とで形成される角度のことです。

この接触角が90°以下の状態を濡れるといい、また、接触角が(40°より)小さい性質を親水性、(90°より)大きい性質を撥水性といいます。そして、特に接触角が小さい(5°以下)性質を超親水、特に大きい(150°以上)性質を超撥水といいます。

本来、ウォータースポットとは、接触角が大きい(要は、塗装面が強い撥水性によって丸い水滴を形成した)場合に、水滴がレンズの役割をしてしまうことによって光を集め、ベースカラー(透明なクリア層の下の顔料を含む塗膜)に焦点を結ぶことで、ベースカラーを焼いて変色させてしまう現象のことです。
虫眼鏡で太陽の光を集めて、紙を焼いた経験はありますよね? それと同じことが塗装面で起こるわけです。

しかし、近年では塗料の品質が大幅に改善され、このウォータースポットが発生することはほとんどありません。
前にも少し書きましたが、30年位前、ほとんどの車の塗装はソリッド(メタリックやパールなどのキラキラ光る粒子を含まない、顔料だけで作られた塗料)のシングルコート(透明なクリア層を別に持たない塗膜、今では2コートのソリッド=顔料塗膜の上にクリアを塗装したものもありますね)でしたから、ウォータースポットって言葉も聞くことはありませんでした。
しかし、メタリックが多数出回り始めたころから、特に、パール塗装が初めて登場したころから、このパール塗装でかなり問題になったと記憶してます。
当時は今のように様々な色のパール塗装なんてなく、白(今ほど真っ白なものはなく、少し黄色味を含むようなものや、茶色味を含むような白でした)ばかりでしたが、よ〜く見ると、ベースの色よりわずかに黄色っぽいというか、茶色っぽいというか、そんな色のジンマシンみたいなシミが出来るんですよ。
でも、最初は何なのか分からなくって…困ってました。┐('〜`;)┌ 磨いてもとれないし…。当たり前ですよね! 塗装の中にシミが出来てるんですから。

では、現在ウォータースポットって言われてるのはなんなのでしょうか?

そう、ご存知かもしれませんが、イオンデポジット や 酸性クレーター と言われるものですね。

僕の記憶が正しければ、これらの言葉を定義付けして、それらが起こる仕組みを最初に紹介したのは、かつて洗車名人としてNHKのテレビ番組にも登場して一世を風靡しておられた、モービルクリーンベース代表の高木靖夫さんだったと思います。
みなさんは彼のことをご存知ですか? 磨きやコーティング、車内クリーニングなどのことを、ディテイリングって言いますが、彼はディテイリング業界の草分けみたいな人です。今はもう廃業なさったようですが、開業されたのは'82 だったと思います。
そういえば、彼の講義を聞きに神戸まで出かけたことがあります。いつ頃だったかな? 多分25年位前ですね。
その頃は、僕も5年位は既に経験を積んでいた(年間600台程磨いてました。今の磨きとは多少違って、ミングという磨き方ですが、基本は変わりません)のですが、でも当時、3Mがディテイリングに目を向け始め、今では超定番のハード1やハード2といたコンパウンドや専用のバフを発売したのをきっかけに、今では当たり前の磨き方ですが、当時では新しい磨き方にチャレンジしてたんです。誰も教えてくれる人なんていなくて、試行錯誤しながら取り組んでいたんです。どうせやるならてっぺんを取ってやろうと思いながら…。そのために、自分の仕事は早めに切り上げて、仲の良かった鈑金塗装工場で、3年ほどでっち奉公させてもらったりもしました。磨きを極めるには、やはり、塗装のことを知らないと!って思ったからです。
ちょうどそんなときに高木さんの講義を聞きに行ってみたのですが、磨きの技術には得るものはなかった(すでに自分で習得出来てたので… 生意気言ってすみません、でもそれくらい努力してたんです)のですが、同じことを考えてやっている人がいるんだと共感したのを覚えています。

なにを大げさな! っていう人もいるかもしれませんね。でも当時、町の鈑金塗装屋さんの多くは、塗装後の仕上げの磨きを、中目や細目のラビングコンパウンド(珪藻土のコンパウンド)を使い、タオルバフ(半球型のスポンジバフ台にタオル地のカバーを被せたもの)で磨いていたんですから。信じられないでしょ。f(^_^;
そーいえば、JOYBONDさんもラビングコンパウンドではなかったけど、タオルバフでしたね。(^o^)

脱線ばかりで話が前に進まないですね。
高木さんの講義で勉強になったことがありました。それが、イオンデポジットや酸性クレーターの発生のメカニズムです。すでにその現象については何度も目にしていましたが、どのように作られるのか実験して確かめるなんて、個人のレベルじゃ難しいですよね。
高木さんも解説しておられましたが、イオンデポジットとは、水の中に溶け込んでいる様々な成分・不純物が、水分が蒸発した後に残って固着したもののことをいいます。多くは白いリング状のシミとなります。なんで輪っかになるかは、水の表面張力やマランゴニ対流って力が関係しているからみたいですが、少々ややっこしく長くなるので省略しま〜す。(^_^;)

まぁそれはいいとして、こんな感じでイオンデポジットは発生します。雨が降ると、空気中の汚れ成分や塗装面上の汚れを、雨水が溶かし込んで水滴とともに塗装面に付着します。雨が止んで水分が蒸発していくと、次第に汚れ成分だけとり残され、塗装面に固着していきます。次の雨でも同じ所に同じ様に水滴が付着し、また固着を繰り返します。
それらが紫外線や熱などにより、化学変化を起こし、ガチガチに塗装面に結合してしまいます。これがイオンデポジットです。
雨水ばかりが原因ではありません。
というよりは、その多くは洗車が原因で発生しているといった方が正しいのかもしれません。洗車に使う水道水に含まれるミネラル(カルシウム、マグネシウム、シリカ、ナトリウム、カリウムなどのイオン)やカルキ(次亜塩素酸カルシウム/消毒剤)、使用したカーシャンプーのすすぎ残しなどが、水分を十分拭き取らないまま放置した場合や、炎天下塗装面の温度が高いときに洗車した場合などに、塗装面に固着してイオンデポジットが形成されます。
とりわけ、洗車に井戸水や工業用水を繰り返し使用していると、輪ジミが更に進行し、魚のウロコのようなシミで塗装面が覆いつくされてしまうこともあります。明らかに、水道水より不純物が多く含まれているのが原因ですね。

では、どうすれば防げるのでしょうか?
簡単です。洗車には、水道水を使う。シャンプーはよくすすぐ。雨が降れば(パラパラっとほんのわずか降った雨が特に要注意)洗車する。洗車後は水分をよく拭き取る。言うのは簡単ですが、結構大変ですね。(^_^;)
費用はかかりますが、コーティングして塗装面を保護するのが一番お手軽な方法かもしれません。しかし、どんなコーティングがいいの? コーティングすれば何もしなくていいの? 問題は尽きませんね。?(・_・;? でも長くなるので、また今度にしましょう。

では、話の続き、酸性クレーターとはなんでしょう?
酸性クレーターとは、酸性雨が降った後、塗装面に付着した水滴が蒸発する過程で、水分が抜けていくにつれて次第に酸性度が上がり、クレーター状に塗装面を浸食し陥没させてしまった状態のことをいいます。

酸性雨ですか?
二酸化炭素(CO2)はどこの大気にも含まれており、雨粒に溶け込んで炭酸となるため、どんなにきれいな大気でも、落ちてくる雨粒はpHが5.6という弱い酸性を示します。ただし、これは大気汚染と関係なく起きますので、「酸性雨」とはみなされません。
しかし、工場や自動車から排出される排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が、大気中で太陽の光により光化学反応を起こし、硫酸や硝酸といった強い酸に変化し、これが雨に溶け込むことによってpHが5.6以下に下がり、酸性雨となります。
日本でも全国的に、年平均pH4.72〜4.90(第4次調査:平成10年度〜12年度)と、酸性雨が継続的に観測されています。
こんな環境ですから、酸性クレーターが発生するんですね。初期のクレーターは、大きさ 2〜5o、深さ 2〜3μm ほどのものが多いようですが、放置しておけば、陥没した部分は水がより溜まり易くなっている訳ですから、同じ手順でどんどん陥没が進行し、ますます深刻なものになっていきます。

同じ様な痕跡は、樹液、鳥糞、虫の死骸などによっても発生しますが、付着物の有無で容易に判断出来ますね。これらが付着しているのを見つけたら、早急に除去しましょう。
ムース状のガラスクリーナーなんか結構お勧めです。もちろん塗装面が熱いときは冷ましてから使用して下さい。
付着物の上に吹きかけ、泡で覆います。しばらく置いておくと、付着物が柔らかくなって除去しやすくなるので洗い流して下さい。鳥糞や虫の死骸などには特に有効ですが、虫の死骸は意外と硬い上にしつこいので、とりわけお勧めです。そのままゴシゴシこすったりすれば、簡単に塗装面にキズがついてしまいます。
付着物が取りきれなかった場合、トラップ粘土を使って下さい。トラップ粘土は使う前によく揉んで柔らかくして使います。カーシャンプーをよく泡立てて、泡をすくって塗装面に塗りつけ、泡で滑らせるように粘土を動かせば、一層塗装面にキズが入るのを防止出来ますからやってみて下さい。(^_^)v

酸性クレーターに話を戻しましょう。
どうすれば防げるのか?
雨が降ったら洗車する! やっぱり…。
だ・か・ら、雨が降る度に、雨が止んだら直ぐ洗車って出来ないでしょ! って聞こえてきそうです。┐('〜`;)┌
やはり、コーティングして塗装面を保護するのが良さそうですね。

では、どんなコーティングがいいのか? コーティングすれば万全なのか? コーティングをすれば、何もしなくていいのか? 次回はそんなことを書いてみます。
興味のある方は、またお付き合い下さい。m(__)m

コメント(0)
[コメントを書く]


<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw

[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
++新着ブログ記事++